【IF・IFS関数】スプレッドシート条件分岐はこれ読めば完璧!

Googleスプレッドシートで、条件分岐(もし~だったらAの処理、違かったらBの処理)の論理構造で処理したい場合には、IF関数・IFS関数を用います。この記事では、IF関数・IFS関数の使い方、構文の説明、具体的な例を取り上げて説明・解説していきます。

記事を書いた人

こんにちは。当ブログの管理人の『くろん』です。
30代サラリーマン、新規事業推進室に所属。ブラック企業勤め時代に身に着けた業務効率化ノウハウをアウトプットしていきます。
読んでくれた方の業務が一秒でも早く終わりますように!と願いながら記事書いていきます!

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目次

IF関数・IFS関数で何ができるの?

IF関数は、条件(もし~だったら)に対して正だった時と、誤だった時に出力する内容を変えることができる関数です。また、IFS関数は、複数の条件に対して、それぞれ正誤を判定して異なる値を返すことができる関数となります。

IF関数の使い方

IF関数の構文

IF関数の構文は、このような形になります。

=IF(論理式, TRUE値, FALSE値)

項目内容
論理式条件部分を記載する箇所。18以上だったら、男だったらなど。
TRUE値論理式の条件に合致する(正)場合に返す値。
セルを指定してもよいし、さらに関数式を指定してもよい。
FALSE値論理式の条件に合致しない(誤)場合に返す値。
セルを指定してもよいし、さらに関数式を指定してもよい。

IF関数の具体的な使い方

具体的に使い方を見ていきましょう。
とある顧客名簿(疑似個人情報データ生成サービスを利用して作成)を材料にして、考えていきます。
上司からこんなオーダーが入りました。

性別欄が「男」だったら◯を、違ければ✕を空いてる列に表示しといてー。

まずは、E2セルに記載する関数について考えてみます。
論理式(条件):もし、B2セルが「男」だったら→B2=”男”
TRUE値(正の場合):◯を出力する→”◯”
FALSE値(誤の場合):✕を出力する→”✕”

※文字列を条件式に指定したいときは、『”』で文字列を囲う必要があります。また、出力したい内容が文字列の場合も、『”』で囲う必要があります。

実際に書くとこんな感じになります。

=if(B2="男","◯","✕")

今回は、「男」という文字列一致で、セルの内容と完全に一致している文字列を抽出対象としたので問題ないのですが、例えば名前に「沢」を含んでいるセルを抽出したい場合には、少し工夫が必要になります。
別の記事でまとめたので、興味ある場合はこちらも合わせて御覧くださいー。

今度は年齢が「50以上」だったときに、◯を出力しておいてー。

同じようにE2セルに記載する関数を考えてみます。
論理式(条件):もし、D2が「50以上」だったら→D2>=50
TRUE値(正の場合):◯を出力する→”◯”
FALSE値(誤の場合):✕を出力する→”✕”

※数字の大小を条件とすることも可能です。

=if(D2>=50,"◯","✕")

IF関数を用いて、複数の条件で判定を行う方法

ここまで紹介してきたのは、条件が一つだけのものでした。
でも、条件が複数に渡ることもそう珍しくないハズ。複数条件がある場合のIF関数の使い方についても合わせて紹介しておきます。

男でかつ年齢が50以上のときに、◯を出力しておいてー。

こんな感じで、複数の条件のオーダーが入りました。整理のために、条件分岐図を作ってみます。

E2セルに記述する関数について考えていきましょう。
論理式(条件1):もし、B2が『男」だったら
└TRUE値(条件1の正の場合)→論理式(条件2):D2が『50以上』だったら
 └TRUE値(条件2の正の場合):◯を出力する
 └FALSE値(条件2の誤の場合):✕を出力する
└FALSE値(条件1の誤の場合):✕を出力する

これを実際に関数で表現するとこうなります。

=if(B2="男",if(D2>=50,"◯","✕"),"✕")

少し関数が長くなりましたが、このような式になります。
条件1:B列が『男』だったらの正の場合の部分に、さらに別の条件(D列が50以上だったら)を入れた構造となっています。このような構造を『入れ子(ネスト)』と呼びます。

今回のようなパターンであれば、AND関数を用いて条件1の部分に複数の条件を組み込むことも可能です。

男性かどうか?正だったら、50歳以上かどうか?の順で確認するのではなく。
男性かつ50歳以上か?という確認の仕方をするイメージです。
生成される答えは同じなのですが、関数の読みやすさからいくと、後者のほうが分かりやすいのではないでしょうか。

=if(and(B2="男",D2>=50),"◯","✕")

AND関数は論理関数の一つで、複数の条件がすべて正だった場合に、TRUEを返すという関数になります。
このように条件の部分に、ANDやORを使って複数条件を盛り込むことも可能です。

IF関数の挙動を正しく理解する

さきほど「TRUEを返す」とさらっと書いてしまったのですが、IF関数の挙動について、もう少し深掘りしてみたいと思います。IF関数の論理式のところに、直接trueやfalse(ブール値という)を入力するとどうなるのか、まとめておきます。

No1、2のように、論理式を記載する箇所にtrueないし”true”と記載した場合、その条件が正と同じ判定になり、◯が出力されます。また、ブール的にtrueと1は同じ意味となるので、1と記載しても、やはり正と同じ判定になります。

また、No4,5のようにfalseとすると、今度はその条件が誤と同じ判定になるため、✕が出力されます。また、ブール的にfalseは0と同じ意味となるので、やはり誤となります。

では、空欄だとどういう判定となるのでしょうか?答えは条件が誤と同じ判定となります。

最後に、論理式に意味をなさない文字列を入れた場合については、エラーとなり関数自体動かなくなります。

IFS関数の使い方

IFS関数は、複数の条件に基づき、その条件ごとに返す数字を変えたいときに用いられます。IF関数を入れ子構造でも同じことができるのですが、関数の可読性(後で見直したり、別の人が見た時のわかりやすさ)の観点から、圧倒的にIFS関数のがわかりやすいです。

IFS関数の構文

IFS関数の構文は、このような形になります。

=IFS(条件1, 値1, [条件2, 値2, …])

項目内容
条件1一つめの条件式を指定します。
値1条件1が正だった場合に返す値です。
条件2, 値2, …一つ前の条件が、誤だった場合に評価する次の条件とそれが正だった場合に返す値です。

IFS関数の具体的な使い方

IFS関数を用いた例として、とあるテストの点数に応じた評価を考えてみます。以下の表の通りに判定できるようにしてみます。

ここにテストの結果があるから、以下の評価分類に従って判定しておいてー。
評価条件
90点以上
80点以上90点未満
60点以上80点未満
不可60点未満
=ifs(B2>=90,"秀",B2>=80,"優",B2>=60,"可",true,"不可")

IFS関数は先頭のほうから順に条件式に従い評価され、正だったら値が返されます。誤だったら次の条件式の判定が行われます。なので、条件と正の値を記載する順番がとても重要になります。

また、IFS関数は、記載してある全ての条件に合致しない場合には、エラーが出力されます。
なので、データの種類によりますが、最後の条件に「true」を使うことで、それ以外をすべて拾うことができるので、エラーが出力されてしまい止まるのを防いでくれます。

顧客の性別と年齢データがあるから、以下の表に従ってセグメントを記載しておいてー
セグメント条件
C層男女4歳~12歳
T層男女13歳~19歳
M1層20歳~34歳の男性
M2層35歳~49歳の男性
M3層50歳以上の男性
F1層20歳~34歳の女性
F2層35歳~49歳の女性
F3層50歳以上の女性

条件を細かくした例でも考えてみます。
マーケティングの界隈で用いられる、性別と年齢を用いた顧客のセグメント化について、IFS関数を用いて実現してみましょう。

=ifs(and(B2="男",D2>=50),"M3",and(B2="女",D2>=50),"F3",and(B2="男",D2>=35),"M2",and(B2="女",D2>=35),"F2",and(B2="男",D2>=20),"M1",and(B2="女",D2>=20),"F1",D2>=13,"T",D2>=4,"C",true,"その他")

IFS関数の条件の記載順の重要性

例えば、こんな条件で判定してーと来た場合注意が必要です。
①男だったら、男と出力してください。
②50歳以上だったら、50歳以上と出力してください。

このような条件だった場合、50歳以上の男だった場合、条件の記載順を考えないといけません。

最終的に表示されている状態がどちらのほうが良いのかというのは、そのデータごとに違うと思います。
大事なのは、このように状態のときに、どちらの判定を優先したのかというのが、チーム内で共有されているかどうかだと思います。ちょっと、気をつけておいてください。

まとめ

今回は、条件分岐の関数であるIF関数・IFS関数について紹介してみました。
関数のなかでも、使う頻度が高い部類に入るので、ぜひマスターして使いこなせるようになってください!

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